サイトのウェブアクセシビリティを向上させよう

2024年4月1日より、障害者差別解消法の改正が施行され、民間事業者に「合理的配慮」が義務づけられます
これは、障害のある人が生活する上でのバリア(障壁)を取り除くために、できる範囲で対応することを指します。
ウェブサイトにおいては、ウェブアクセシビリティを確保することがこれに該当します
また、すべての事業者は遅くとも2024年6月4日までに対応する必要があるとアナウンスされました。

そこで今回は、ウェブアクセシビリティとは何なのか、どのように対応すればよいかについて解説してみたいと思います。

ウェブアクセシビリティとは何ですか?

ウェブアクセシビリティとは、障害の有無にかかわらず、すべての人々がウェブサイトを利用できるようにすることを指します
これは、視覚、聴覚、運動、認知などの障害を持つユーザーに対して、情報や機能にアクセスしやすいデザインを提供することが求められます。

具体的には、スクリーンリーダーを使用する視覚障害者のために画像に代替テキストを提供したり、聴覚障害者のために動画に字幕を追加したりすることが含まれます。
また、キーボードだけで操作できるインターフェースの設計や、色覚異常を持つユーザーのための高コントラストの配色なども、アクセシビリティ対応の一部です。

これにより、すべてのユーザーが等しくウェブの恩恵を受けることができるようになります

ウェブアクセシビリティはなぜ重要ですか?

法的要件の遵守

日本では、2024年4月から改正された障害者差別解消法が施行され、民間事業者にも「合理的配慮の提供」が義務化されます。これにより、ウェブサイトがアクセシビリティ基準を満たすことが求められ、違反した場合には改善報告を求められることがありますが、直ちに罰則が科されるわけではありません。

ユーザーベースの拡大

アクセシビリティを考慮することで、障害を持つユーザーもウェブサイトを利用できるようになり、より多くのユーザーにリーチできます。これはビジネスチャンスの拡大にもつながります。

SEOの向上

アクセシビリティ対応はSEOにも有益です。例えば、代替テキスト(alt属性)を適切に使用することで、検索エンジンが画像の内容を理解しやすくなり、検索結果の順位が向上する可能性があります。

ユーザーエクスペリエンスの向上

アクセシビリティ対応は、すべてのユーザーに対する使いやすさの向上にもつながります。明確なナビゲーションや読みやすいテキストは、一般ユーザーにも好まれます。

ウェブアクセシビリティを実現するための具体的な方法は?

代替テキストの提供

画像に適切な代替テキスト(alt属性)を設定することで、視覚障害のあるユーザーがスクリーンリーダーを使用して画像の内容を理解できるようにします。

キーボード操作のサポート

すべての機能がキーボード操作で利用できるように設計します。これにより、マウスを使えないユーザーでもサイトをナビゲートできます。

適切なコントラスト比の確保

テキストと背景のコントラスト比を高くすることで、視覚に障害のあるユーザーがテキストを読みやすくなります。一般的には、4.5:1以上のコントラスト比が推奨されています。

フォームのラベルとエラーメッセージ

フォームフィールドに適切なラベルを付け、エラーメッセージが明確で理解しやすいものにします。これにより、フォームの使用が容易になります。

音声と動画の字幕とトランスクリプト

動画には字幕を、音声コンテンツにはトランスクリプトを提供することで、聴覚障害のあるユーザーがコンテンツを理解できるようにします。

コンテンツの構造化

見出しタグ(h1, h2, h3など)を適切に使用して、コンテンツの階層構造を明確にします。これにより、スクリーンリーダーのユーザーがページの構造を把握しやすくなります。

自動再生の制御

動画や音声の自動再生を避けるか、ユーザーが簡単に停止・再生できるコントロールを提供します。これにより、すべてのユーザーが自分のペースでコンテンツを楽しめます。

まとめ

ウェブアクセシビリティは、すべてのユーザーに対する公平なアクセスを提供するために不可欠です。また、法的要件の遵守、ユーザーベースの拡大、SEOの向上、全体的なユーザーエクスペリエンスの向上といった多くの利点があります。アクセシビリティ対応を実践することで、ウェブサイトがより多くの人々にとって使いやすく、有益なものとなるでしょう。この記事を通じて、ウェブアクセシビリティの重要性を理解し、具体的な実践方法を取り入れることで、より良いウェブ環境を作り上げていきましょう。