Login rebuilderでサイトを守ろう – XML-RPC 設定編

前置き

「Login rebuilder」というWordPressのセキュリティを向上させるプラグインがあります。操作が簡単で非常に便利なため、制作現場でもよく使用されています。

今回は、「Login rebuilder」で設定できる「XML-RPC 設定」について解説します。ここでは、設定方法や操作方法ではなく、設定することでどのような効果があるのか、また設定した方が良いかどうかという点に焦点を当てます。

プラグインページ

画面解説

基本設定

  • XML-RPCメソッドの認証を禁止する:
    • チェックすると、XML-RPCメソッドの認証を無効にします。
  • チェックされたユーザーのみ有効となる:
    • 特定のユーザー(例: admin)のみがXML-RPCを使用できるように制限します。
  • チェックされたメソッドのみ有効となる:
    • 有効にするAPIメソッドを選択します。
      • WP API: WordPressのAPIメソッド
      • Pingback API: PingbackのためのAPIメソッド
      • Blogger API: Blogger用のAPIメソッド
      • MetaWeblog API: MetaWeblogのAPIメソッド
      • MT API: Movable Type用のAPIメソッド
      • Demo API: デモ用のAPIメソッド

ピンバック

  • 自サイトから自サイトへのピンバックを送信しない:
    • チェックすると、自サイトへのピンバックを送信しません。
  • すべてのピンバックを受信しない:
    • チェックすると、すべてのピンバックを無視します。重要: これがチェックされると、上記のピンバックの設定は無視されます。
  • 一定時間内に受信できるピンバックを制限する:
    • チェックすると、受信できるピンバックの数を制限します。
    • 受け付けるピンバックを最大: 最大のピンバック数を設定します。例: 5件/1秒。
    • ピンバックが受付制限を超過した場合に受付を: 制限を超えた場合の拒絶時間を設定します。例: 10分間。

ステータス

  • 準備中: 現在の設定が有効になる前の準備段階。
  • 稼働中: 設定が有効になり、稼働中であることを示します。

変更を保存

設定を保存するためのボタンです。

XML-RPCメソッドの認証を禁止するとどうなる?

「XML-RPCメソッドの認証を禁止する」をチェックすると、XML-RPCプロトコルを使用した認証が無効になります。これには以下のような影響があります。

  1. セキュリティの向上:
    • XML-RPCはWordPressの外部からのアクセスを許可するために使用されるプロトコルですが、しばしばブルートフォース攻撃の対象になります。この設定を有効にすると、こうした攻撃からサイトを保護することができます。
  2. 外部アプリケーションの制限:
    • 外部のブログエディタやアプリケーション(例: モバイルアプリ、デスクトップクライアントなど)がXML-RPCを使ってWordPressにアクセスすることができなくなります。これらのアプリケーションは通常、投稿の作成や編集、コメントの管理などに使用されます。
  3. 一部のプラグインやサービスが動作しなくなる可能性:
    • XML-RPCを利用するプラグインやサードパーティのサービスが正常に動作しなくなる可能性があります。例えば、Jetpackなどの一部のプラグインはXML-RPCを使用してサイトにアクセスします。

この設定は、XML-RPCを使う必要がない場合や、特にセキュリティに気をつけたい場合に有効です。ただし、XML-RPCを使用する必要がある場合には、この設定を無効にしておく必要があります。

ピンバックとは?

ピンバック(Pingback)は、ブログやウェブサイト間でリンクが張られたことを通知するための仕組みです。具体的には以下のような特徴があります。

  1. リンクの通知:
    • あるブログ記事が別のブログ記事にリンクを張ったとき、そのリンク先のブログに対して自動的に通知が送られる機能です。この通知をピンバックと呼びます。
  2. 相互リンクの確認:
    • ピンバックを受け取ったブログは、そのリンクが本当に存在するかを確認し、リンク元のブログに対して応答を返します。これにより、リンク元とリンク先の間で相互リンクが確立されていることを確認できます。
  3. 自動的なコメント生成:
    • 多くのブログプラットフォーム(例: WordPress)は、ピンバックを受け取ると、そのリンクをコメントとして表示します。これにより、リンク元のブログ記事がコメント欄に表示され、他の読者がリンク元の記事にアクセスしやすくなります。
  4. スパム対策の必要性:
    • ピンバックは有用な機能ですが、スパム行為に悪用されることもあります。悪意のあるサイトが大量のピンバックを送信してスパムコメントとして表示される場合があります。そのため、多くのブログプラットフォームでは、ピンバックを管理するための設定やスパム対策の機能が提供されています。

具体的な利用例

例えば、ブログAがブログBの記事にリンクを張った場合、ブログAのシステムはブログBに対してピンバックを送信します。ブログBはこのピンバックを受信し、ブログAが本当にリンクを張っているか確認します。そして、確認が取れた場合、ブログBのコメント欄に「ブログAがこの記事にリンクしました」という通知が表示されます。

ピンバックは、ブログ間のネットワークを構築し、相互リンクを促進するための重要な機能ですが、スパムやセキュリティの問題もあるため、適切な設定と管理が求められます。

ピンバックは送受信される状態のほうがよい?

ピンバックの送受信を許可するかどうかは、ウェブサイトの目的やセキュリティの優先度によって異なります。以下に、それぞれの利点と欠点を示しますので、参考にしてください。

ピンバックを送受信する利点

  1. トラフィックの増加:
    • 他のブログやウェブサイトがあなたの記事にリンクしてくれた場合、そのリンクがピンバックとして表示され、リンク元からのトラフィックが増加する可能性があります。
  2. SEOの向上:
    • 外部リンクはSEOにおいて重要な役割を果たします。ピンバックにより、リンク元のサイトとの関係が強調され、検索エンジンにとっても有用なシグナルとなります。
  3. ネットワークの構築:
    • 他のブロガーやウェブマスターとの関係を築く手助けになります。リンクの共有やコメントを通じて、コミュニティを形成することができます。

ピンバックを送受信する欠点

  1. スパムのリスク:
    • ピンバック機能を悪用してスパムリンクを送信する悪意のあるサイトが存在します。これにより、コメント欄がスパムで埋め尽くされる可能性があります。
  2. セキュリティリスク:
    • ピンバックを通じてDDoS攻撃が行われるリスクがあります。攻撃者は大量のピンバックを送信することで、サーバーに負荷をかけることができます。
  3. 管理の手間:
    • スパムピンバックや不要なピンバックを手動で管理する必要が生じるため、管理の手間が増加します。

どちらがよいかの判断基準

  • セキュリティとスパム対策が最優先の場合:
    • ピンバックの送受信を無効にすることを検討してください。これにより、セキュリティリスクやスパムの問題を軽減できます。
  • SEOやトラフィックの増加を重視する場合:
    • ピンバックの送受信を有効にすることが有益です。ただし、スパム対策としてAkismetなどのスパムフィルタリングプラグインを導入することをお勧めします。

最終的には、サイトの目的や管理リソースに応じて、ピンバック機能の設定を調整するのが良いでしょう。

まとめと要約

XML-RPC設定とピンバックの概要

XML-RPCメソッドの認証を禁止する

XML-RPCは、外部からWordPressサイトにアクセスするためのプロトコルです。しかし、これが悪用されるとセキュリティリスクが高まります。「XML-RPCメソッドの認証を禁止する」をチェックすると、XML-RPCを使用した認証が無効になり、ブルートフォース攻撃からサイトを保護できます。ただし、外部のアプリケーションや一部のプラグインが動作しなくなる可能性があるため、利用状況に応じて設定を検討する必要があります。

ピンバックとは?

ピンバックは、他のブログやウェブサイトが自分の記事にリンクを張った際に、そのリンクを通知するための仕組みです。リンク先のブログに通知が送られ、リンク元の記事がコメントとして表示されます。これにより、ブログ間のネットワークを構築し、相互リンクを促進することができます。

ピンバックの送受信の利点と欠点

ピンバックを送受信することで、他のサイトからのトラフィックが増加し、SEOの向上が期待できます。しかし、スパムやDDoS攻撃のリスクも伴うため、適切な管理が求められます。

ピンバックを送受信する状態の利点

  1. トラフィックの増加: 他のブログからのリンクにより、訪問者が増える可能性があります。
  2. SEOの向上: 外部リンクは検索エンジンにとっても有用なシグナルとなります。
  3. ネットワークの構築: 他のブロガーやウェブマスターとの関係を築くことができます。

ピンバックを送受信しない状態の利点

  1. スパムのリスク軽減: 悪意のあるサイトからのスパムリンクを防ぐことができます。
  2. セキュリティリスク軽減: DDoS攻撃などのセキュリティリスクを減らせます。
  3. 管理の手間軽減: 不要なピンバックを手動で管理する手間が減ります。

どちらがよいかの判断基準

サイトの目的やセキュリティの優先度に応じて、ピンバック機能の設定を調整しましょう。セキュリティを重視する場合は無効にし、SEOやトラフィックの増加を重視する場合は有効にすることが考えられます。スパム対策プラグインを導入することで、ピンバックの利点を享受しながらリスクを軽減することも可能です。

まとめ

XML-RPCの設定やピンバックの管理は、サイトのセキュリティとパフォーマンスに大きな影響を与えます。自サイトの目的や利用状況に応じて、適切な設定を行うことが重要です。セキュリティを強化しながら、必要に応じて外部リンクの利点を活用することで、より安全で効果的なウェブサイト運営を目指しましょう。